レンドフルール 総評 [レンドフルール]
レンドフルール 限定版 予約特典(ドラマCD) & Amazon.co.jp限定PS Vita & PC壁紙 付(2015年8月20日注文分まで)
- 出版社/メーカー: アイディアファクトリー
- メディア: Video Game
① シナリオ ☆☆☆
うーん……評価はとても難しい。
地上の民を救う「グラース」と呼ばれる力を送る使命を立派に果たす「レーヌ」となるために生まれた少女が直面する現実の数々は、確かに悲劇と言われれば悲劇なのですが、グラースとは何か、神々とは何か、花紋とは何か、種人、花人……すべてがかなりふんわりしているために、あまり緊張感がありませんでした。
「命の危機」「世界の終わり」そういうものに肉薄すると感じるにはあまりにも彼らをとりまく環境が美しすぎるし、それを憂う言葉も、そのことに対しての決断を迫られる姫に対しての反応も綺麗すぎたような気がします。
「乙女ゲームらしくない」甘くないエンドを山ほどばら撒いておきながら、「非常に乙女ゲームらしい」設定と枠の中で物語が紡がれていくので、若干浮いていたかな?というイメージを持ちました。
かなりこれは個人的な感覚に左右される物語だと思います。
どこまで実情を知り得ない世界の「終焉」、出会ったばかりの騎士の命運、宿命の残酷さを憂うことがプレイヤーに出来るか。
感受性が豊かな方は、おそらくどっぷりつかれると思いますが、私のようにキャラクターを理解するために物語の整合性からどうしてもはいってしまうタイプの方にはあまり向かない物語と言えるでしょう。
しかしながら恋愛の描写はどこか耽美で美しく、狂おしいほどの表現で彩られた忠誠もありましたし、その点はとても楽しみました。
② スチル・ヴィジュアル ☆☆☆☆☆
☆5つじゃ足りないくらい、世界観にぴったりの美しさ。
本当に美しい。
この美しい絵でもっと、人間味のあるドロドロした物語が描かれていたらどれだけ映えるだろう……なんて思いながらプレイしていたのはナイショでございます。
スチルの演出や効果も素敵でしたし美術面に関しては全く文句なし。
③ キャラクター ☆☆☆
地上ソルヴィエルから来た騎士たち4人と宰相1人。
みんなそれぞれに抱えているものや背負っているものが違い、楽しめました。が、少し気になったのはあまり彼らが「地上にいた頃」の生活があまり見えないところ。もうちょっと、その辺りが見えるとキャラクターの人物像がくっきり見えるかなあと思いました。
全体的に、ヒロインも含めてどうしても「舞台上の登場人物」という感じが抜けなかったですね。それもそうで、ネタバレになるからあまり語れないのですが物語の内容、彼らのルートで書かれている彼らの設定を見ると、まあ、しょうがないかなあとも思えてくるのでね……。
個人的には、そんなに心に残ったキャラクターもいなかったかなあ。
④ システム ☆☆
ラヴィールシステムは確かに斬新でした。
生まれた時から桜の樹に縛られている運命を切り開くために、時には心を鬼にして、また時には本音で説得に挑まなければならないところを表現しているのは、なかなかに面白かったですし、第三の選択肢「沈黙(時間切れ)」をうまく利用しなければいけないところも、考え方としてはとても斬新で良かったです。
しかし、あまり変わり映えのしないバッドエンドを、トロフィーコンプのためにはすべて拾わないといけないことを考慮するとプレイヤーにはかなり優しくない設計になっているのは事実だと思います。
また、ものすごく個人的な意見ですが、トロフィーにつけられたコメントに製作者側の「面白いでしょ?」感が全面に出ているところがちょっと興ざめでした。
⑤ 作品の完成度 ☆☆☆
うーん、何をもって完成度というのか……によって、だいぶ評価は変わりそうな本作品。
演出、スチル、音楽、システムなどなど、総合的に見るのであれば間違いなく☆5だと思うけれども、ノベルゲーの骨子ともいえるシナリオとそれに付随してくるキャラクター描写などに焦点を当てれば☆3だと高いかな、と個人的には思ってしまう感じでした。
ですので、客観的にはどうなのかわからないのですが、私個人はこの作品を「面白かったか」と一言きかれたならば、「普通かな」と答えると思うので、とりあえず無難なところで☆3にさせて頂きました。
この作品は採用したシステムがシステムですので、意外とプレイ時間がかかります。
意外とプレイ時間がかかるわりに、読んでいるテキスト分量はおそらくそんなに多くない。
この点が、若干物語が浅く感じる原因だろうと思います。
重厚な物語を作ろうとしているのに、皮肉にもその一端を担うはずであったシステムが大いに邪魔をした感じがありますね。
このシステムで、騎士たちを「パルテダームにこなーい?」的に口説き落とすような物語ならもっと面白かったかもしれません。この「会話システム」と「プレイヤーを悲劇に没入させる」ということの相性は、個人的には悪いような気がしました。
余談ですが。
うまく説明できているかがわかりませんが、ただそれだけの設定でよくこれだけの長さをもたせたな、と思うような話でした。
この感覚は私が「剣が君」をプレイした時と似ているような気がします。
悲恋の描き方やエンドの方向性も近いなあと思ったので、個人的な感覚ですが参考になれば幸いです。
タグ:レンド
2015-09-11 21:41
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コメント(2)
こんにちは!レンドフルールの感想、楽しく拝見させていただきました!
このゲーム、設定が凝ってるわりにはそれをプレイヤーにあまり説明してくれないですよね(笑)
私、頭にちゃんと設定が入ってなかったので、終始ふわふわした状態でお話を読んでました。
滅びゆく地上の国の状況をお花で表したりとかは緊張感なかったですね。
グラースの移動によって被害にあった人達の恨み言とかが聞こえてきても面白かったと思うのですが、そこらへんをマイルドにしているところがオトメイトさんらしいのかもしれません。
キャラは私の場合は「舞台上の登場人物」感が抜けないからこそ恋愛脳でも多少許せた気がします。
ラヴィールは本当…\(^o^)/
ラヴィール自体は楽しいんですけど、何度もシーンスキップしたいと思いました(笑)
バッドエンドをあんなに作るなら、もっと姫と騎士が絆を深める過程を丁寧にしてほしかったです(>_<)
私自身、トロフィーコンプするぐらいには楽しめたのですが、好きか?とか面白かった?とか聞かれると悩んじゃいます。
近藤さんの素敵な演技が聴けたこととスチルの美しさには満足です(*´ェ`*)
ではでは失礼します★
また感想楽しみにしております(*^_^*)
by みゃめ (2015-09-12 16:21)
>みゃめさん
みゃめさんこんにちはー!
レンドフルール、お互いにお疲れさまでした……!
うーん、本当に、たぶんいろんな設定があるんでしょうけど、伝わってこなかったですね……???私もずっとふわっとしながら読んでましたよー。
あの水鏡の中のお花、はちょっと微妙でしたよね……そうそうこういうところはオトメイトさんだなあとは思うのですが……うーん、みゃめさんのおっしゃる通りもうちょっと地上のことが話的に見えてもよかったですよね……。
ラヴィールはめんどくさい……あんなめんどくさいシステム久しぶりに見た……!!!(涙)
バッドエンドもほんとあんなにいらないですよね……?
いまいち空回りしてる感じが否めない作品でした。
トロフィー!!!
みゃめさんえらい!!ほんとお疲れさまでした……確かに楽しめる部分もそこそこあったから私も全ルート通るくらいには楽しめました!!
みゃめさんみたいにあんなにしっかりした感想は書けませんでしたが……!!
こちらこそ、また感想楽しみにしております♡
いつもありがとうございます!!
Twitterでもよろしくです♡
by あかり (2015-09-13 10:40)