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SNOW BOUND LAND 雑感&まるっと感想 [その他オトメイト作品]


SNOW BOUND LAND (限定版)

SNOW BOUND LAND (限定版)

  • 出版社/メーカー: アイディアファクトリー
  • メディア: Video Game






今年最後のオトメイト作品締めくくりー!
と思いまして、SNOW BOUND LANDをプレイー!

あっという間にコンプー!

決して。
決して、駄作だとか、「がっかりだ……」というのではありません。
素敵ブロガーのぽて子さんにも笑われてしまったのですが、まさにこの作品ほど「お呼びでないのは私の方」と感じたものはなかったです。

悪魔を演じられている杉山さんのお声が聴きたいという、ある意味で若干不純な動機で購入した大きなお友達をあざ笑うような……。

ピュアさです……!!!!!!!


ただ「純粋」というわけでもないのですが、「人は生まれながらにして皆いい人」という性善説に基づいて作られているかのような設定&シナリオでした。

それではなにも波乱がおこらないじゃないか……!
とお思いのみなさんがいらっしゃると思いますが、そのための悪魔ちゃんです。
彼がいなければ何にも始まりませんし、何も進みません。

そういった、どこか本当の悪は「悪魔が唆したり、もってくるもの」と割り切って作られた世界なので、非常に現実離れしています。
そんな世界なので、ヒロインは無個性というよりは、博愛すぎてどこか人間がありません。
攻略キャラクターたちも、少し「優しい幼馴染」「病弱でデリケートな青年」「ツンデレな旅の青年」「明るく可愛らしい少年っぽい青年」という属性的な特徴から、もうひとつ抜け出せないといいますか、かなり「枠に当てはまった」キャラクターたちでした。

本当に「童話の上の登場人物・出来事」というイメージが最後までぬぐえない作品でした。

しかし、それがコンセプトのようなので当然と言えば当然ですよね。
あんなに全身全霊で公式がアピールしているのに、そこを否定するようなことはしたくありません(笑)

なので、これはこれでひとつの乙女ゲームの形なのだと思った次第であります。

もうちょっとダイアローグ面白くならんか。
もう一癖、毒気のある設定とかルートはないんか。

と。島さん、砂原さんのお名前をスタッフロールで見てしまうと思ってしまうのは当然とは思うのですがね。(S.Y.KとCZを生み出した方たちですから)

ここから先は、私の単なる妄想ですが。
敢えて、それをしていない気がします、SBL。

「そういう」乙女ゲームを作りたいのなら、きっとヒロインはゲルダではなく「雪の女王」で、かなりアレンジが加えられた内容だったのではないでしょうか。

おそらく、これは「今、乙女ゲームを遊んでいる世代」よりも、もう少し下を意識して作られた作品じゃないかなと思います。
アニメや声優さんに興味があって、まだうら若き乙女ゲーム未プレイのお嬢さんたちが、パッケージの可愛さや童話モチーフに惹かれて、ふと遊んでみたくなる乙女ゲーム。

ヒロインがそこまで自分を主張しておらず、基本的に彼女の意思、行動をきっかけに何かが動き出す物語ではないところにも、そう思った原因だと思います。
強烈な個性はないけれども、ある意味で人を選ばない。
「旅の中で、かっこいい青年たちとの恋愛イベント」をいかに楽しむか。
そこに焦点が当てられているような気がするんですよね。

それはそれでひとつの乙女ゲームとしての答えだと思いましたし、もし私の妄想が当たっていてそういう意図で作られた作品であったなら、この作品は相当「オトメイト」という会社をうまく表した作品になっていたと思います。

絵は綺麗だし、テキストもとても読みやすく(今回は特に斜め読みでも理解できるレベルでした)キャラ別に、いろんな甘さを表現してありました。
あまりにもいろんな作品をプレイしてしまった私にとっては、恋愛シーンのすべてに真新しさはなく、デジャヴに近かったです。
しかし、裏を返せば「乙女ゲームにはこういう楽しさ、ときめきがあるよ!」ということを5人のキャラで表現されていたようにも思うのですよね。


ですので、これほどまでに癖がなく、綺麗にまとまった乙女らしい作品は、それはそれで貴重だと思います。
いろんな作品があっていいと思うので、私はものすんごくつまんなかったけれども(年齢的な原因が大きいです)素敵な作品だとは思ったのでありました。


それでは!
ざあっとネタバレ感想、となります!
お話の大筋は「雪の女王」の原作通りですので、その辺りの説明(鏡が割れて、その呪いがかけられるヒロインたち、その呪いを解くために3つの世界で白の世界への鍵を探すetc)は省きまーす。











☆カイ


天涯孤独のゲルダを支える、優しい幼馴染。
彼の呪いは「性格が冷たく変わること」なのですが、この発動がいまいちふわっとしていて(笑)笑いにもつながらず、ツッコミにも適しておらず……で、ちょっと中途半端でした。

彼は原作通りのお話でした。
脚色されているのは、ゲルダの中に入った欠片が、女王が必要とする欠片であることや、カイがゲルダを守るために、自分の「心」を引き換えにするところですかね?
そういう部分はたしかなかったよね?
原作が結構あやふやなので詳しくはわからないのですが。

ゲルダを守るために雪の女王の部下となって、心を凍らせて自我を失っていくカイ。
カイが「雪の女王の部下の顔」で登場したり、「優しい幼馴染の顔」で登場したり、結構めまぐるしいです。
ゲルダの中の入った鏡の欠片を欲しがる無慈悲な女王は何をするかわからないので、白の世界にゲルダを連れていきたくないけれども、女王の命によって連れていかなくてはならないという使命感にも襲われる、という葛藤が表現されていて、彼のルートはやはりメインだなあと感じさせられる部分でした。

ラストシーンは「ゲルダの心がカイ、そして雪の女王の凍てついた心を溶かす」という原作を噛み砕いて解釈されたシーンになってましたね。

あまりにもあっさりと女王が「強大な力があったために恐れられ孤独を感じていた」と認めるので、正直びっくりしてしまったのはナイショですw

雪の女王様も、乙女だったのね……!

ちなみにカイくんは、ふんわり微笑む幼馴染パートと、冷たい北風のようにちくちくする雪の従者パートとあって、ひとりで二度おいしいという、いわゆるオイシイキャラでした。


☆アージェ


兄を探して三千里。
少し前から村に滞在している旅の青年です。
ツンデレ、迷子属性。
呪いは「思っていることと逆のことを言ってしまう」です。

ツンデレにはオイシイ……いえ。あるまじきこの呪い。
恋愛パートでうまく生かされていて、それはとても良かったのですが、この感じでいくと、最初の頃に「お前は可愛いな」とか「お前を抱きしめたい」とかいってたのは……その逆だから……なんだったの???とかちょっと思ったりもするのですが、まあいいでしょう(笑)

彼の兄はイヴァンです。
そのため彼のルートは、呪いを解くことに加えて、イヴァンを雪の女王から解放することがテーマとなっていました。

このルートは個人的に、ゲルダが「怖い……」と思ってしまいました。
アージェの怒りが雪の女王に向かうのはわかるのです。
どっちでもいい、というような想いで、家族を白の世界に縛り付けた張本人なわけなので。

雪の女王を殺そうとするアージェの前にでて、彼の刃を受けるゲルダ。
彼女は「アージェに人を殺させたくなかったから」と言うのですが……あまりにも……思慮に欠けるといいますか。アージェも言っていますが、それで「ゲルダを殺させた」なら、なんの意味もないではありませんか。

ラストのイヴァンに付き添われてやってくるアージェはとってもかわいかったです。


☆オルヴァ


病弱で部屋から出られない、デリケートだけどなかなか積極的な青年。
彼の呪いは「素手で触ったものは一様にして朽ちる」です。
また彼だけは呪いを受け入れたいと思っている(呪いのせいで病気が改善するので)というところも他とは違います。

悪魔に唆されている、とはいえいろいろとやらかしますね。
鍵を盗んでみたり、唐突にキスをかましてきたり……。

オルヴァは言いたいことはしっかり言う癖に、いざとなったら常に逃げ腰だったり憶病だったりします。しかし彼の、ベッドに縫いとめられるようにして送ってきた半生の苦しみが根底にあるので、このようなイベントの表現、描き方は丁寧だし、自然でした。オルヴァのためにも呪いを解きたいというゲルダの気持ちに苛立つのも、わかる気がするんです。呪いを解けばまた以前の生活に逆戻りか、と思うとね……。

ラストが一番面白かったのはオルヴァルートでした。
呪いを解いても解かなくても地獄、というある意味失うものが何もない人間ほど怖いものはありません。彼しか、悪魔に喧嘩を売ることはできないと思うんですよね。
悪魔は「悪魔殺しの呪い(を人間は厭う)」の上に胡坐をかいているのですが、彼にはそれが一切怖くないわけですから。

いやあ……それにしても小悪魔からマジ悪魔に変貌……声色の違いにどきどきしました(盲目)

悪魔を雪の女王が倒すか、オルヴァが倒すかによって分岐するルートですが、雪の女王が倒し、二人無事に帰って、「病は気から」よろしくオルヴァも前よりかなり元気になる、というエンドよりかは、地味に悪魔になったオルヴァが好きです。


☆クラエス


レストランで働く、明るく前向きな可愛らしい青年。
フライパンひとつでゲルダを守っちゃう。
彼の呪いは「なし」。
彼は、ゲルダと、ただ一緒にいたくて「悪人は一目見ただけで判別がつくという呪い」をでっち上げて旅に参加します。

……なんか、おっかしいと思ったんだよ……という(笑)
なんで一人だけ、微妙にポジティブな呪いなのwwwwみたいな。
ゲルダは「あった時からいい人か悪い人かわかるなんて嫌だよね!」っていいますが、うーん。
こういう部分にも「悪人」「善人」と人間区別して考えられている世界なのだということが感じられます。

彼自身も忘れているのですが、彼は一度「悪魔に助けられた」人間です。
5年、命を伸ばしてもらっている、そのことを忘れてゲルダと恋におち、仲間を助けに行きます。
雪の女王の説得に成功し、すべてが終わった時に悪魔から告げられる「タイムリミット」。

これまでのルートがなかなかにご都合主義的ハッピーエンドなので、この子も悪魔の気まぐれか何かで救われるんだろうと思ってたんですが違いましたね。
その温度差はびっくりしたけれどよかった。

悪魔が、クラエスから「命の代償」として、愛した彼女の記憶だけをクラエスから奪う、というところが、なかなかに、らしくてよかったですね。殺すだけなんてツマラナイっていいそうですからね。


☆イヴァン


アージェの兄。
かつて、雪害で苦しむ村を助ける代償として、自分を差し出し「雪の女王の従者」となった過去があります。

非常にオーソドックスな、好きになっちゃいけない人を好きになっちゃうルートです。
敵として接しているうちに、ゲルダの暖かさや優しさが、凍てついたイヴァンを、かつてのイヴァンへと戻していく感じですね。

お話として納得はしているのですが、この……「白の世界に瞬間移動できるはずの」イヴァンと旅をする、ということにものすごく違和感を覚えましたね。

いや赤の世界のリーゼロッテの薬が理由にあるのはわかっているのですが。
あんな序盤であっさりゲルダの「薬の瓶」を割らせたイヴァンが、彼女の瓶を割れないはずがないですからね。

途中からは、彼女との旅を楽しみたいから敢えて、というのはわかるんですけど……もっと早い段階でやろうと思えばいつでも……と考えてしまって、ダメでした。
案外、白の閉ざされた世界で、女王のお膝元、同じような境遇に立たされた二人の間に恋が芽生えたり……というお話でもよかったんじゃ?とは思ったのも正直なところ。

イヴァンはスチルがとてもセクシーでした。
ラストの、二人で暮らすスチルはとても好きです。柔らかくて。


とにかく、カイくんは本ルート以外ではとっても不憫でしたね(笑)
彼女を守るために代償を支払って雪の女王の従者となったのに、再会した時には別の男に横取りされてる、っていうwwwww

そこもうちょっとゲルダ、考えてあげてよ……(笑
といいたくなっちゃったりもしますが、恋だけはしょうがないヨネ!!!


ラストまでいっても、悪魔は本当にただの「暇つぶし」で引っ掻き回したんですね。
各世界で、鍵にまつわるサブキャラクターたちもみんな可愛かったし、なにより声が豪華でしたね……!

ざっとプレイしてしまいましたが、そこそこ楽しみました(*´з`)




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