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図書室のネヴァジスタ 総評 [図書室のネヴァジスタ]


図書室のネヴァジスタ

図書室のネヴァジスタ

  • 出版社/メーカー: タース・エンターテインメント
  • メディア: DVD-ROM





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※ネヴァジスタ総評ですが、どちらかというとフルコンプ後ネタバレなし感想、みたいな感じで書きたいと思います。

「最近乙女ゲーム飽きてきたな……」とか。
「ガチでサスペンスなやつをやりたい!」という方には、諸手を上げてオススメしたいこの作品。

登場人物はほぼ男性ですが、BLというわけではありません。
BLゲームに手を出すのは若干抵抗がある私(魅力は理解しているつもりですw)も、彼らの複雑な友情関係、さまざまな形の精神的な繋がりをいろんな角度から描いたストーリー、エンドの数々を存分に楽しみました。
ただ、恋をすることに近いエネルギーで、親愛の情や憧憬を同性に向けるので、それだけで苦手な方は回れ右かもしれません。設定、彼らの置かれる状況を考えるととても自然なので、俗にいう「狙っている」という印象はありませんでした。

また、作中に出てくるネヴァジスタという本の七不思議と同様、おそらくこの「図書室のネヴァジスタ」という物語の中に「自分」を見る瞬間が誰しも必ずあると思います。登場人物(大人、子供含めて)の発言、行動の中に、過去の自分、また今の自分を重ね合わせてしまうこと請け合いです。
ほとんどの人にとって、身近なものだった(身近な)高校を舞台にしていることが、さらにその感情の部分でのシンクロを深めているように思いますね。また、登場人物たち全員それぞれとっても奥深く、丁寧に作りこまれているので、非常に感情移入しやすい点もあると思います。
プレイヤーの感情を揺さぶるように試行錯誤されていることがものすごく伺える作品ですので、そういう作品をお探しの方にもぜひおすすめしたいです。


サスペンス系ミステリとしても十分面白かったです。

この作品は「多くを語らないこと」で雰囲気を演出している部分があるので、どうしても細かいところまでは理解できなかったり(知りえない)、センチメンタルに描かれる部分が多いので、冷静に事象について分析されている場面が少ない(雰囲気が壊れてしまうためでしょう)ので、プレイヤーにとって「謎解き」の面から見ればアンフェアであることは間違いありません。最後の最後まで、ある程度の「なぜ?」が残るゲームだと思います。
しかし、ネヴァジスタの謎を解くお話ではなく、彼ら登場人物の心の底を覗くことに重きを置くプレイスタイルになっているので、これはこれで素晴らしいミステリです。

若干根本的な設定が苦しい(複雑すぎる嫌いがある)気がしますが、フィクションは面白ければいいと思うし、なによりもそれは創造力の賜物なので、私は賞賛したい気持ちでいっぱいです。

スチル、BGM、立ち絵のバリエーション、効果音、驚異のエンド数、ボーナストラックに至るまで、本当にこのお値段でいいのですか……といってしまいそうなクオリティでしたね。すっごい計算されているし、やはりこれだけの愛をもって制作されたゲームが面白くないわけがないなと感じます。

余談ですが、図書室のネヴァジスタや、ファタモルガーナの館なんかをプレイしてしまうと、正直大手ゲーム会社さんって何やってんだろうごにょごにょ、って思うところもあったりしますが(UMDディスクが高いんですかね、そうなんですよね?(笑)同人ゲームというものの面白さを再発見させて頂きました。

初出からだいぶ経つのに、色あせない面白さ、そしてまだ「未完成」なところがいいですね。
物語としては完結しているのですが、「コレから先」を想像させる作品でした。
今年はスピンオフっぽい作品もボイス付きで発売されるみたいですし(気になる方はコチラ)ますますこれからも楽しみな作品のひとつになりました!

かなりネヴァジスタ熱拗らせてしまったので、衝動的にネヴァジスタ関連の書籍(服毒本やら短編集やら)を大人買いしてしまったくらいです。(滅多にないことです)
まだ知らない部分、勘違いしていた部分など発見がたくさんあって、楽しいですー(*´ω`*)

とにかく言いたいのは。

ありがとう、タースさん……!!!(涙)

ほんと、それだけです(*^^*)




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