英国探偵ミステリア 雑感&ホームズJr.感想 [英国探偵ミステリア]
英国探偵ミステリア。
とりあえずメインのホームズJr.とワトソンJr.を終わらせてみました!
いやー……。
私なんでこの作品、プレイしてなかったんでしょう。
ちょっと後悔。旬な時期にみなさんと一緒にキャッキャしたかったなあ……なんて。
「英国探偵ミステリア」っていうくらいなんだから。
ミステリ寄りな作品を目指そうとして、その演出が、乙女ゲームだし生ぬるーくなっちゃった感じなんだろうなあ……って勝手に思っとりまして。
ところがところが。
思ってたんと違うー♪
……という、いい意味での、裏切られ方でした。
ビックベンの鐘が告げる時刻。モーニングティーと新聞から始まる朝。
好奇心旺盛なホワイトリー家のお嬢様エミリーは、ひょんなことからヴィクトリア女王主催のパーティでホームズJr.ワトソンJr.と出会い、シャム猫探しをすることになります。この時の功績を讃え、女王直々に「女王の探偵」の証として指輪を授かったことをきっかけにエミリー嬢はハリントン学園に通うようになります。
学園で再開するホームズJr.&ワトソンJr.を筆頭に、ルーピンやマープル女史、ジャック、転校生の明智に小林といった、個性豊かなクラスメートたちと織りなす日常と「事件」。そうしてひとつずつ「探偵」としての階段を上るエミリー。
しかし。
やがて、もぎたてのアプリコットのように瑞々しい恋心を「彼」へと募らせると同時に、彼女の行く道に濃霧が立ち込めていくのでした。
あらすじとしてはこんな感じなのですが。
個人的に気に入ったのは、ゲーム全体の持つ雰囲気です。
ホームズやワトソンの子供たちが活躍するであろう、この19世紀後半~20世紀のイギリスっぽい雰囲気が、ものすごくファンタジックに描かれていて、それだけでウキウキしてしまいました。
内容もジュブナイルのようで、非常にかわいらしいです。
それは、内容のレベルが子供でも分かる稚拙なもの、という意味ではありません。
どちらかというと、「ミステリ」風に、少年少女の冒険と成長、その勇気を描こうとしている作品に感じられるからです。
講談社ミステリーランドシリーズではないですが「かつてこどもだったあなたと、少年少女のために」というキャッチコピーがどことなくしっくりくるような気がするのは私だけでしょうか。この作品を、ミステリとしてぬるいとか、謎解きがない、というのは……ちょっと違うかな?と個人的には思いました。
ただ、何を求めてこの作品をプレイするかは人それぞれなので、一概には言えないのですが……。
とにかく、スチルが綺麗です。
解像度が違うのか、単純に絵師さんの腕なのか……、それは知識がないのでわかりませんが、ものすごくきれい。艶々してるといえばいいのでしょうか。きらきらしているといえばいいのでしょうか。
とにかく美しい。
そして構図もものすごく素敵なものが多くて、ため息がでます。
さらには、甘酸っぱさが表現されてて……。
きゅんきゅんします!!!
いやあ素敵です。
あとすごくいいなあと感じるのは、彼らの「上品」さですね。
最近は刺激的な言葉、展開、そういうものを含めた乙女ゲームがほとんどだと思うのですが、彼らの言葉づかい、表現に惚れ惚れしてしまいます。
さすが「紳士」の国のお話。
女の子がとっても大切にされているのがわかるし、父親と同じく「女性嫌い」の血を引くホームズJr.さえも、言葉こそ辛辣だけど、レディファーストは忘れない。
なんかもうね、それだけで、ときめくんです。
どんなキャラであれ「英国紳士」の精神を捨ててないっていうか……(まあ明智さんとかは日本人だけど)
かといって、ちゃんとイギリスらしいシニカルなジョークも飛び出しますしね。
執事のペンデルトンの台詞。
エミリーが切り裂きジャックに襲われるのを心配しての言葉なのですが。
「お嬢様のお腹からこぼれ出るカスタードプディングなんて私は押さえたくありませんよ」
……みたいなね、表現をするんです、彼。
この、今まさにプディングを食べているお嬢様に向かって放つ「冗談」の皮肉っぽさ。
しれっとこういうジョークがいろんなシーンに出てきて、本当に素敵だなあと思いました。
ホームズJr.がゴーイングマイウェイなレディ、エミリーを「ミス・マイペース」を揶揄するところとかも大好きですし。
とにかく、キャラクターの台詞ひとつから登場するお菓子の名前、食器のブランドなど……、細かいところまできちんと英国らしいファンタジーに仕上げられている、このミステリア。
最後まで攻略するのが楽しみです(‘ω’)ノ
それでは!
ホームズJr.ネタバレ感想です☆
頭脳明晰、沈着冷静。
ハリントン学園探偵クラスでもトップクラスの「探偵」です。
父親と同じようにベイカー街に事務所を構えて、大きな事件こそないけれど、ワトソンと一緒に地道に人探しなどの業務をこなしています。
彼のコンプレックスは偉大すぎる父親。
父親を心から尊敬しているにも関わらず「親の七光りだ」「さすがあのホームズの息子だ」といわれるたびに、複雑な心境になり、意固地になってしまう。持っている素質が素晴らしいだけに、「何でも出来てしまう」だけに、柔軟さをなくしてしまうという、典型的なプライドの高い坊ちゃんです。
いやあ。
可愛かったです……!
上品な物言いの中に含まれる皮肉の数々。また、照れ隠しの数々。
かと思えば、ストレートに投げてくれる言葉が節々にあったりして。
ホームズJr.に翻弄されっぱなしwww
またこの台詞を、独特の間を持たせて、ちょっと鼻につくんだけど「いいとこの坊ちゃん」らしい気品を残して演じられている千尋さんのお声がキャラクターのヴィジュアルとすごくマッチしてて、本当に素敵でした。
彼のルートは、そんなプライドの高い彼が「仲間を頼ることの大切さ」を知り、「僕が僕であるための場所」を見つけるお話。
スペルバウンドという犯罪組織の陰謀に巻き込まれて、殺人犯として濡れ衣を着せられてしまうホームズJr.。さらには父親まで逮捕されてしまい、追いつめられていきます。その嫌疑を晴らそうと、最初は仲間の協力を拒むも、最終的には協力を要請し、仲間みんなで陰謀の中枢にいるモラン大佐を追い込む、という流れになっておりました。
・ホームズJr.の「正義」「信念」
彼は自分自身にウソをつけない人。
そんな、ポリシーをしっかり持ちすぎてるホームズJr.がエミリーのせいで乱されていくところが素敵でしたね。
「自分の嫌疑は自分で晴らす!」と息巻いていたホームズJr.が、終盤では「みんな、力を貸してくれ……!」と素直になったところは、思わず口笛を吹いてしまいましたw
その、可愛さたるや……!( *´艸`)
彼、とっても聡明な人なので、自分の持っていない視点をくれる人って貴重だってことはわかってるはずなんですよね。
でも、父親の私怨がらみで、息子にまでとばっちりがきて。
しかも相手は謎の犯罪組織スペルバウンド……ってなると、ね。
いろいろと見失って焦るのもわかります。
最終的には、ちゃんと置かれた状況を分析して、意固地にならずに大人の力をきちんと借りて、エミリーに対する自分の気持ちもかみ砕いて。
ひとつひとつ、男の子が自分の本心に向き合いながら成長していくのを見ていくのは楽しかったです。
とっても(*^^*)
・「友人の犯罪を冷静に暴いた」エピソード
ワトソンJr.が過去を語るシーンですね。
ものすごく冷静に装っていても、内には熱いものを秘めている彼がすごく表現されてたなと思います。
病気の母親のために、事故とはいえ強盗殺人を犯してしまった友人に、それでも「人の命を奪ったことは悪である」と糾弾する姿勢は曲げない、その美学はエミリーのことにも通じるものがあります。
「本心」を隠して、客観的に「最善」「合理的」な選択をするんですよね。
感情に流されてしまいがちな己の精神こそが「悪」だというかのように。
他人から見ると冷静だ、非道だ、ってなるんでしょうけど。
エミリーやワトソンJr.はその「優しさ」を知っているからこそ、その行為の中にホームズの本心を探そうとするんですよね。
その二人のホームズJr.に対する思慮深さ、距離感がとても心地よいなあと思いました。
二人とも、踏み込むところはきちっと踏み込んでいくし……!
話が戻りますが、このお友達の事件の裏でホームズJr.がいろいろと刑を軽くしようと画策しているところもうかがえて、罪を憎んで人を憎まず、なんて、少年探偵の鏡だわ!!なーんてところもなかなか、ツボだったりw
・ルパンとの対決
やはりね!!
ホームズと名の付くキャラならあって当然(なのか)ルパンとの対決!
ルパン扮するホームズを「あなた、偽物ね!」と見破るエミリーちゃんもお約束。
そんなエミリーちゃんルパンJr.監禁してホームズJr.おびき寄せるダシにつかう展開もお約束。
そして、対決が「チェス」なのもお約束。
ホームズJr.が勝つのもお約束。
そして、そこで、「君が無事でよかった……!」と初めてエミリー抱きしめデレるホームズJr.も。
これまたお約束あります!!!!!
が!!!
お約束!何が悪い!!!
こういう展開!やっぱり!ないとね!!
エミリーが役立たずのくせにホームズのためとかいいながらちょっかい出すのがそもそもダメなんじゃんって?(笑)
お嬢様、それ確かに一理ございます。
……しかし!
お転婆娘なんだからしょうがないのでございますーー!!
この、好きな人のためなら、いてもたってもいられないお節介焼き、というヒロイン。
私は結構好きですね(*^^*)
かわいいじゃないですか。
この向こう見ずな、猪突猛進っぷりが。
(ピンチになったらペンデルトン助けてくれるっていう仕様だしwwっていうのは言わないお約束?)
だからこそ、彼の心を掴んだのでしょうし、あんな個性的なクラスでやっていけるのでしょうねw
・告白と告白
モラン大佐を前に、ホームズJr.の背中に抱きついて「あなたが好きなの……!」と泣きながら告白するところは、なにやってんの(笑)って思うけれども、ホームズjr.の「そうか……」「見ていてくれ、僕は君から逃げない……!」にきゅーんとくるので、無問題。
ラストの、これまたこういうキャラにはお約束な、仲間たちに嵌められて屋上でふたりきりになって……からのホームズJr.側からの告白→キス、で「そこで盗み見してるお前らでてこーい!」的展開もお約束すぎるけど、ぽやぽやしちゃったので無問題。
いやー。ずるい。
少年と少女が出会って、日常をともに過ごして。
まだ友情に似た感情だけれども、特別な意識が芽生えて。
事件をきっかけにお互いに「大切なもの」を相手の中に見つけたからこその、このシーンかと思うとですね。
なんだか、ほっこりしてしまうのですよねえ。
この恋物語。
そしてあのスチルでしょう……!?
ほんと、ずるいですわあ。
二人にはこれからもお互いを高めあってほしいものですねw
そして、このまま、素直でいてほしい♪
あ、ワトソンの入る余地も残しておいてあげて欲しいわwwww
二人の「女王の探偵」の助手として、ばたばたしちゃうワトソンを想像するのも楽しいですね(*^^*)
大して何も推理とか、してない気もするけど、お話としては成り立っているので、楽しんでます♪
この調子でフルコンプ頑張るぞー(‘ω’)ノ
2013-09-18 00:39
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