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NORN9 ノルン+ノネット 乙丸平士(不知火七海) 感想 [NORN9 ノルン+ノネット]

とうとう残すところ、ロンのみになりました。
……ちょっといろいろとバタバタしてて、なかなか感想を書く時間がとれなくて……(笑)

あ。
暁人くんやって満足しちゃった、とかじゃ、ない、よ(ないつもり)。

基本的に独立した物語が、それぞれに作用してひとつの結論、結末に集約される(であろう?
)という形式は連作短編みたいですね。
けど、前から読むことを想定して作られている連作短編集と、「どこからやってもいい」というところが違うことを考えると……やっぱりちょっと厳しいのか。

もう一回記憶「リセット」して、今度は違う順番でクリアしていったらどんな風にこの作品が見えるんだろう……。

とか、想像&妄想はつきません。

それでは、乙丸平士、ネタバレ感想いきます☆



平ちゃんの能力は、他ルートで私が想像していたものとは、ちょっと違っていました。
思ってることを口にしなくても、不特定多数の人の頭の中に「声」として発露してしまうという現象の理由は、不特定多数の心に作用することが出来る、という「精神感応力」を持っていることが前提となっているからなんですね。

彼の能力は「精神感応力」であって、「声」を届けることはそれを利用して使える技、みたいなものなんだということを理解するまでに8ルートもかかった私の頭です(笑)

もしかすると、平ちゃん。
自分でも小さい時はこの、言葉を使わなくても相手に勝手に伝わるというよくわからない力のことをうまく理解できなかったかもしれませんね。
だって、他の子……火とか水とか緑とか結界とかなんとか……そういうのってわかりやすいけど、ほんとこの子の能力ってどうしようもないですもんね。

普通の人が持ってる、人間関係を円滑にする手段を持つことが許されない。
顔には出さず、心の中だけで怒ったり、泣いたり、悲しんだり。
時に嘲笑ったり、蔑んだり、驕ったり……。
そういったものがすべて、相手に伝わってしまうというのは、想像を絶する厳しさだと思います。

それをある程度コントロールできるようになるまでに、彼はどんな人生を送ってきたのでしょうか。
「親に捨てられた!」と。
彼はニュアンス的に自分がわがままだから当然(「声」でなんでも伝わるから言葉で伝える努力を怠った、というような意味で)と笑っていましたが、それが「荒療治」となってこのようなポジティブな性格となった、と解釈するには悲しすぎるなあと思います。

おそらく、この「精神感応力」のせいで人の感情にものすごく敏感になりながらも、自分の感情に、とても鈍感になったのかな、と。

自分の感情を決して、掘り下げないこと。
どんな感情であれ、そうしないと、満足に人間関係を形成していけなかった。
そうしないと一人になるしかなかった。

だからこそ、彼の夢が「家族を持つこと」で、それは一見平凡だけど一歩踏み込まないと手に入らないものだとわかっている。


そんな若干、端々に心の危うさを滲ませる平ちゃんと、罪を抱えた七海ちゃんの「どうしようもない」恋物語です。



彼の隣にいるのは心地いい。
最初はただそれだけだった。

「仲良しだね」と言われても肯定も否定も別にしない。
したいとも思わない、ただ一緒にいるという仲。

七海はなぜ彼のそばにいると心地いいのかを考えるようになります。
「精神感応力」のおかげなのか。
したいこと、いいたいことを理解して、肯定してくれるからなのか。
いつでも誰でも、怒る気が失せるくらいの笑顔を持っているからか。
それとも、その子供のような純真さからくるのか。
明確な形がみえないまま、七海は平士に惹かれていきます。

「人に優しくされるのに慣れてないだろ?」

そういわれて、焦る気持ちはなんなのか。
内部犯がいる現状で、あまりに無神経、危機感のない態度に平士が心配になり、つい七海が言った言葉に。
仲間を疑って誰かを悲しませるくらいなら、騙された方がマシだ。
と言ってしまえる平士を「傷つけてしまった」と感じる私はなんなのか。

彼の辛い時。
彼の苦しい時が想像できない。
そんな深琴の一月を想う独白に、七海は平士のことを想います。

彼が、自分をさらけ出す時はあるんだろうか。
私の苦しみや仲間の悲しみを理解する能力がある彼の苦しみに、一体誰が気づき、寄り添えているのだろうか。

こんなのは「仲良し」とはいえないかもしれない。
一方的に自分が「仲良く」してもらっているだけなのだから。

平士と口論となってしまった後に開催されることになった「肝試し」。
その準備中に、平士に伝えたかったことがちゃんと伝わっていないと思った七海は一生懸命言葉にしようとします。うまく言葉にすることが出来ない七海。
そんな彼女を見て、言葉を使わなくても伝えられるはずの平士が「言葉」の大切さについて語ります。

大事なのは自分の言葉で最後まで伝えきること。

そんな言葉に七海は、言います。

乙丸さんも言ってほしい。怒りや悲しみ、そういう気持ちを捨てる前に。

七海はこうして他人を思いやる気持ちというものを芽生えさせていきます。

ある時、七海が深琴の恋路を心配するような言葉をつぶやきます。
わずかな七海の心の成長を喜ぶ平士。
しかし七海には深琴の、一月に対する「好き」が理解できないと言います。

好き、って何?

そんな言葉に平士は自分の感情のありったけを、彼女にぶつけます。

「たとえば、こういう『好き』だ」

苦しくて、悲しくて、辛くて。
いろんなものが綯い交ぜになった感情が七海に流れ込んできます。

こんな「苦しい」を抱えて、人は生きられるものなのだろうか。
しかもこの旅の後は、みんなが離れ離れになることが決まっている。
終わりのみえる恋に、こんなつらい感情を抱えることは無駄なことなのかもしれない。
でも。
その流れ込む感情の中に、ひとつだけ違う「うれしい」気持ちを感じとっていたこともまた事実なのでした。

肝試し当日。
一月と深琴をくっつけたくて、画策する2人がうまいこといった様子を見て、平士は自分の夢を語ります。

家族を持つ夢。
人並みだけれども、ありきたりではないその夢は、過去人の人生を狂わせた罪を背負う自分には縁遠いものだと七海は思って、平士の夢を叶えるその人がうらやましい、と言い出します。
そんな言葉に、思わず平士の口をついて出たのは。

「同じ夢を見ないか」

平士の言葉に、あの時の「好き」の気持ちがよみがえってきます。
苦しくて、悲しくて、でもうれしくて。
私が幸せになるんじゃなくて、この人を幸せにしてあげたい。
この人が望むのならば、家族になってあげたい。

しかし、2人で「夢」について語った夜は、彼女自身の手でなかったものとなります。

何か目的があって、ロンと手引きをしてノルンに乗り込んできた夏彦に遭遇した2人。
夏彦たちの銃の前に手も足もでない状況で、平士が倒れ、七海もまた記憶を奪うことで夏彦から解放されようとしますが、返り討ちにあい、銃口を突き付けられて身動きがとれなくなってしまいます。
そんな七海に、夏彦がいいます。

こいつの命が惜しくば、そいつの記憶を消して見せろ。

夏彦にとっては、記憶を消す力を間近で見る意味と、ロンが手引きしているという事実、自分の存在を平士に全員に伝えられないようにするためですが、七海にとってはあの「せっかく伝わった気持ち」をなかったことにする行為以外に他なりません。

二度と奪わない。
あの時、そう誓ったのに。
皮肉にも彼の命を守るために、彼の記憶を奪う七海。
やっぱり私は人を好きになる資格がないのだ。
七海はそうして「ふりだし」に戻ってしまいます。

ロンに「何か妙な真似をすると、平士を殺す」と脅された七海は、平士の様子がおかしいことに気づいて七海が平士にしたことを責める暁人に対しても何もいいだせずにいます。

彼女の過去を知る暁人は、夢の中でまで彼女を責めたてます。

お前は知っているか、この夢の世界が、加賀見と乙丸の力が掛け合わさって成り立っているということを。
お前は乙丸のことが好きなんだろう。でも、もしお前と乙丸の力が掛け合わさったらどんなことが出来ると思う。
「それ」を「世界」に命令された時、お前は反抗できるのか。

私に反抗できるだろうか。
ロンにさえ、反抗できずに彼の記憶を奪ったのに。

暁人はさらに七海を追い込もうとすると、そこへロンが現れて暁人を射殺してしまいます。

自分のために、人が傷つくのが、君は怖いんだよね?

狼から赤ずきんちゃんを守った人のはずなのに。
ロンは七海の傷を言葉で抉ります。
そこに平士が現れて……ついにロンが内部犯であることがばれてしまいます。

夢から覚める前にロンがいった、彼女が怖がってるのは、キミ(平士)だよという言葉の真意を七海に問いただす平士。

あなたの「精神感応力」と私の「記憶を奪う力」。
本気になれば、世界中の人の記憶を奪ってしまうことが出来る。
力は使いようだということはわかっているけれど、もし命令されたら、脅されたら。
私は「絶対」そんなことはしないとは言えない。

そういってこれ以上近づかない方がいいと切り出す七海に、平士は言います。

「それなら死んだ方がマシだ!」

離さない、離すもんか。
そうして、平士は無理やり七海の唇を奪います。
しかし、七海の心は動かないまま。
大切な人を守るためには、自分の気持ちに嘘をつくしかなかったのでした。

ロンの裏切り、夏彦の存在、また平士の記憶を消した訳。
すべてをメンバーに打ち明けた七海をよそに、平士は一人、ふさぎ込みます。
今までの明るさが嘘のように、苛立たしく、苦しく、悲しい気持ちを隠そうともしない平士。
そんな彼の気持ちに呼び寄せられたかのような積乱雲に、誤って突っ込んでしまうノルン。

停電が起きて、食堂に閉じ込められた七海。(ドアって電動だったんだとここで初めて気づく)
彼女を心配してやってくる平士。
ドアの向こうに彼女がいる気配を感じて、彼は彼女に問いかけます。

あんなに嫌っていた力を使わせて、記憶を奪わせて。
俺はなにもお前の苦しみに気づいてあげられなかった。
それがものすごく腹立たしくて、苦しい。

もうこんな思いを七海にさせたくないから。
もうこんな思いを、「能力」を理由に誰かに、何かに強いられたくないから。
一緒に逃げないか、「世界」から。

旅の終わり。

猛反対されるも、最終的には逃避行に協力してくれた一月と深琴に心のどこかで感謝をしながら。
2人は、正宗の制止を「記憶を奪って」振り切って、列車に飛び乗ってしまうのでした。

二度と嫌いな「能力」使わせないと約束してくれたあなただけれども。
私はあなたと生きるためにならこの「能力」を使いたい。

そうして、「過去」を振り返ることなく。
2人は出立します。



1ルートくらいあると思ってました。
「世界」のことについて知らないまま終わるルート。
すべてのことに耳をふさいでしまったルートですね。

まあでもわからんでもないかなあ(ノルンはこればっかり言ってる気がするww)

まあBADもそうなんですけど、要はキレちゃったってことなんでしょうね。
これ以上はもうほっといてくれ、っていうやつです。
能力にここまで振り回されて生きてきたんだから、これ以上は好きなようにやらせてくれ、っていう。

私自身はもう8キャラ目なので……正宗さんの「おい、違うんだ、お前たち!!俺の話を聞いてくれ!」はものすごく共感したのですが(笑)

うーん。
ま、でも平士くんだからこそな、愛し方かな、と思いますし、これもひとつの愛情だと思います。


彼の苦悩については想像することは結構たやすいのですが、あまり描かれておらず、プレイヤー側がある程度想像するしかないので、入り込みにくいルートではありますね……。

彼が七海の手を取ろうと思い始めるのも、おそらく能力に対して抱えている思いが、似てると感じとったからだというのもあると思うんです。
きっと平士は「精神感応力」のこと、嫌いだろうし。

彼の「普通」への憧れ。
「普通」に好きになった女の子をどんなことからも自分が守りたい。

そんな気持ちはとっても理解できたルートではありました。

下手したらすごく「子供」っぽくて、急にキレたり、黒くなったりして、しかも最後は逃げるのかよ、最低!みたいなことになりかねないなあ……なんて思いながら、このルートを楽しんでおりましたが……。

平ちゃん側からの七海への気持ちは、彼の「自分の気持ちを掘り下げない」癖のせいもあるのか、あまり伝わってこなかったのですが、七海が切なかったですね。

「誰か」の横にいて「楽」だと思うってことは、きっとその「誰か」は自分を気遣ってくれているってことなんですよ。自分が「誰か」を気遣う以上に。

最初はその「居心地のよさ」に惹かれるんですよね。
言わなくてもわかってくれる、その「通じてる」感じに。
でも近づけば近づくほど、それがいけないことなんだってわかってしまう。

ちゃんと自分で、彼に甘えずに言葉にしなければ。
彼に感情だけは伝わらない何かをしっかり伝えなければ。

……からの、あのラストの正宗の記憶を奪うシーン、嫌っていた能力を、愛する人と共に生きていくために自発的に使うところにつながっていて、そういうところは素敵だと思いました。


好きなシーンについて。


全力で男性キャラたちの水浴びです。

……っていったら、……なんか怒られそうだからやめとく(笑)
あ、あそこCGクリックないんですよね?→違うゲーム。
あっくんの腹筋……クリックしたい欲望に駆られる私はダメな子です。

えー。
気を取り直しまして。

個人的には、あの「寝起きどっきり☆」シーンが、序盤と終盤で対比されている部分が素敵だなあと思いましたね。

最初、動物扱い。
終盤、女の子扱い。っていうのもあるんですが。

同じ「頭」を撫でられる感じでも、七海の受け取り方が違うのが可愛くて仕方なかったです。
七海ちゃんの成長ですね……。
うんうん。


スチル……は、キスとかよりも、「これが『好き』だ」っていうのが好きです。(あれ?)
あの平ちゃんの真剣な顔がとっても可愛いです。
そーきゅーと。

なんか平ちゃん、強引にキスとか似合わないんだもん……。
幸せそうなキスもあったけど……うーん、幸せそうというか……慰めあってるようなキスですよね。
お互いがお互いを。

まあBADで思いっきりやらかしてくれてますよね。

まさか平ちゃんに首しめられると思わなんだわwwwww

「七海を守る」ことに固執しすぎて、銃にも手を出した上に七海が離れていこうとすることにも、ものすごい恐怖心を抱いてしまって……というエンド。
ラストは見るに見かねた七海にすっかり記憶を消されてしまう、という物悲しいエンドでしたが……。

BADエンド好きとしては、なかなか。
私的にはあの朔ちゃんの「絶句」を見てから……ああ、この2人どっかで死ぬんだろうなって思ってたので……。そこまでひどくなかった(笑)

あと正宗さんの過去を見る能力はやはりあの、手袋をしたあの右手だったのですね……。
やっと謎が解けたなあ。

他は……。

平ちゃんの「笛」について。

言葉で出せない代わりに、「声」で出せない代わりに、「音」にのせて発散するってことなのかな?
うまく感情を処理するというような意味合いを持たせてあるのかな、とは思いましたが、楽器演奏するのって逆にその持て余してる気持ちが増幅したりしないのかしらん、と個人的にはちょっと疑問だったりはするのですが……。楽器を演奏される方の意見としてはどうなのでしょう?それが少しだけ気になりました!

そして、トリ……は、ロンさんです。
もう最初から、会話が成り立ってない感じですけど……楽しみです☆


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ナイン

こんにちはー[ぴかぴか(新しい)]あっくんからの勢いで平もクリアしました。

そうですねぇ、感情移入という意味ではしきれないままさらっと終わってしまった感がありますね。個人的に「愛の逃避行」なんて不安しかないので愛が覚めちゃうというか…。一月も平に説教たれてたけど、あんたも深琴と逃げたんだから言えた義理じゃねーよ、とか思ってしまったり(苦笑)

平の能力はリセットにどう関わってくるんだろう?とずっと疑問でしたが、広範囲に人や環境に影響を与えるための力かも知れませんね。

このルートの印象としては、平の爆弾発言でしょうか?(笑)深琴の着替えを覗いて下着の色を暴露しかけたり、全裸の深琴に迫られても拒絶できる(くらい七海が好き)と叫んだり、もう一月や朔也に殺されかれない発言に震えました(笑)あと関係ないですが、しつこく頭に花を咲かせられる正宗とか(とばっちり)

七海ルートはロンさんが残ってますが、次はどうしようか迷い中です…。身の危険しか感じない…。(平士ルートの最後で名前覚えられた時は悪寒走った!)

by ナイン (2018-06-19 16:28) 

あかり

>ナインさん

平ちゃんおつかれさまですー!!
そうなんですよねえ、感情移入がどれだけできるかにかかってますよね、このルート。当初は結構、始まる前に逃げちゃった!平ちゃん意味わからん!!って否定的な意見も多かったですねw
確かに一月は言えた義理じゃないwwただ、一月の、七海に対するスタンスというか、距離感は私結構好きなんですよね……恋愛には絶対発展しないだろうけど、でもなんかかまいたくなるんだろうな……って。

そうですね!平ちゃん、でもああいう性格になったのも能力のせいなのかなって思うとちょっと切なかったりしますよね……。正宗の花咲かせられるのは私も結構笑いましたww

ロンさんのルートの話はそちらのコメント欄にて♡
よかったら見てくださいね♪
by あかり (2018-06-25 13:50) 

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